ネット証券業界の動向や現状、ランキングなどを掲載しています。ネット証券の過去の業界規模の推移をはじめ、大手3社の売上高グラフ、2021年と22年の動向、最近のトレンドなどを解説しています。
業界規模
1.1兆円
成長率
41.4%
利益率
9.1%
平均年収
1,000万円
ネット証券業界の過去の業界規模の推移を見ますと、2020年から2022年にかけて大幅に上昇しています。
以下のグラフはネット証券大手3社の営業収益のグラフを示したものです。
ネット証券大手3社の営業収益の推移(出所:各社有価証券報告書、グラフは業界動向サーチが作成)
ネット証券大手3社の営業収益の推移を見ますと、SBI HDが大幅に増加しており、楽天証券とマネックスも緩やかに増加しています。3社ともに増加傾向にありましたが、2022年はマネックスが減少、一方でSBI HDは増加幅が拡大し、一歩リードをしています。
2022年-2023年のネット証券業界では、空前の株高だった昨年から状況が一変、2022年の株式市況は年初から大幅安となりました。中央銀行の急激な金融引き締めにより、昨年まで上昇していた株価は急落、10月に入り円安の進行を背景に再び株価は上昇、その後も下落と上昇を繰り返しました。
ネット証券業界において、株安は取引手数料の減少となるので逆風となります。このような市況の中、委託手数料の減少が見られたものの、投資信託の手数料や企業向けの業務用手数料は増加しました。
ネット証券は、自由な取引時間や低価格な手数料などが人気で近年シェアを拡大しています。ビジネスマンや個人投資家などの現役世代のほとんどがネット証券に移行してます。
近年のネット証券業界の流れとしては、スマホのアプリで株の売買が行える新興のネット企業も進出し始めています。ソフトバンクとみずほ銀行の合弁会社「PayPay証券(旧:ワンタップバイ)」、大和証券グループ本社の「大和コネクト証券」、同社が出資する「スマートプラス」などが挙げられます。いずれもスタートアップの段階であり、どこまで認知度が高まるかがカギとなります。
ネット証券では売買手数料の低価格化が進み、さらに無料化が注目されてきました。2023年にはSBI証券(9月30日)と、楽天証券(10月1日)の2社が、国内株式の手数料無料化を導入しています。今後は他社が手数料無料化の動きに追随していくのかが注目されています。
順位 | 企業名 | 営業収益(億円) | |
1 | SBIホールディングス ※ | 8,867 | |
2 | 楽天証券 | 900 | |
3 | マネックスグループ | 793 | |
4 | GMOフィナンシャルHD | 465 | |
5 | 松井証券 | 310 |
※SBIホールディングスは金融サービス事業の売上高。2022-2023年のネット証券の営業収益ランキングを見ると、首位はSBI HD、2位が楽天証券、3位がマネックスグループとなっています。SBI HDはネット専業証券最大手で、手数料の安さと外国株の種類の豊富さに強みがあります。2位の楽天証券もネット専業証券で、手数料の安さと使い勝手の良さに定評がります。
2022-2023年は、大手ネット証券5社中1社が増加、3社が横ばい、1社が減少でした。
ネット証券業界の口座数は、野村HDや大和証券グループ本社などの大手と肩を並べるほどと言われています。ただし、ネット証券は大手証券会社に比べ、富裕層の顧客が少ないため、現状として預かり資産が少ないのが課題です。
また、国内では少子高齢化や人口減少によって今後は投資人口が減る懸念があります。ネット証券存続のため、今後のビジネスモデルの転換が必要になっています。
こうした動向を受け、SBI証券は地方に活路を求めて約30の地銀と提携し、顧客基盤の拡大を図るとともに、若年層向に向けたTポイントでの投資サービスを開始しました。また、楽天証券でも複数の企業との業務提携で、対面で顧客の資産形成サポートの体制を整えるなど、地銀や他企業との提携でビジネスの拡大を強化しています。
また、ネット証券では、システム障害やセキュリティーの向上が課題となります。アクセスの集中によって繋がりにくくなるシステム障害対策や不正アクセスによるセキュリティーの強化は、利用者の信頼を築くうえで欠かせない要素です。新規顧客の獲得が「攻め」と考えれば、システムの強化は「守り」です。「守り」をしっかりと強化しつつ、いかに「攻める」かが今後のポイントとなります。
ネット証券業界の営業収益ランキング&シェアをはじめ、純利益、利益率、総資産、従業員数、勤続年数、平均年収などをランキング形式でまとめました。各種ランキングを比較することでネット証券市場のシェアや現状、動向を知ることができます。
順位 | 企業名 | 売上高(億円) | シェア | |
1 | SBIホールディングス ※ | 8,867 | ||
2 | 楽天証券 | 900 | ||
3 | マネックスグループ | 793 | ||
4 | GMOフィナンシャルHD | 465 | ||
5 | 松井証券 | 310 |
※SBIホールディングスは金融サービス事業の売上高です。シェアとはネット証券業界全体に対する各企業の営業収益が占める割合です。シェアを比較することでネット証券市場における各企業の占有率を知ることができます。矢印は対前年比の増減を表しています。下記のランキングをクリックするとそれぞれネット証券業界の詳細ランキングページにジャンプします。
ネット証券業界を見た人は他にこんなコンテンツも見ています。関連業種の現状や動向、ランキング、シェア等も併せてご覧ください。
SBIホールディングス、楽天証券、マネックスグループ、GMOフィナンシャルHD、松井証券の計5社
ネット証券業界の動向や現状、ランキング、シェア等のコンテンツ(2022-2023年)は上記企業の有価証券報告書または公開資料に基づき掲載しております。ネット証券業界のデータは上記企業のデータの合計または平均を表したものです。掲載企業に関しましてはできる限り多くの企業を反映させるよう努めていますが、全ての企業を反映したものではありません。あらかじめご了承ください。また、情報に関しましては精査をしておりますが、当サイトの情報を元に発生した諸問題、不利益等について当方は何ら責任を負うものではありません。重要な判断を伴う情報の収集に関しましては、必ず各企業の有価証券報告書や公開資料にてご確認ください。
ネット証券 営業収益ランキング(2022-23)
企業名 | 売上高 | ||
1 | SBIホールディングス | 8,867 | |
2 | 楽天証券 | 900 | |
3 | マネックスグループ | 793 | |
4 | GMOフィナンシャルHD | 465 | |
5 | 松井証券 | 310 |